退職願を準備し終わってから、正月休み明けに出社するまでの間、誰に、どのタイミングで、どうやって退職を切り出そうかと悶々と考えていた。
年明け初日なので、二人の上司M氏とN氏は在宅勤務せずにそろって出社しているだろうと想定。
二つの部署にまたがって職務を兼任しているので、まずはどちらの上司に話をするのか、あるいは二人同時に話をするのがいいのか…
タイミングは朝イチ?年始朝礼の直後?部内のオンラインミーティング直後?帰り際…?
オープンな横並びの席から、どうやって身構えさせずに会議室に誘導するか。
結局、M氏は朝礼直前に出社だったので朝イチはタイミングなく、オンラインなので二人とも朝礼を片手間に電話やらメールやらで朝礼終わっても声かけタイミングなく…
昼休み明けにM氏に、
「部内ミーティング後に10分ほど打合せのお時間もらえますか?」
と都合を合わせてもらった。
部内ミーティングが終わってM氏が急ぎのメール1通送るのを待って、じゃあ、やろうか、となったので、理由はつけずに
「会議室とってあるので、会議室でやりましょう」
と誘って席を移動した。
会議室に入って、双方向かい合って席につくなり、
「時間もったいないので単刀直入に、退職させていただきます」
ともったいぶらずに話を切り出した。
「あ、やっぱり?!」
とM氏。なにやら想定の範囲内だった模様。
「もう決まりですか?」
「はい。突然ですみません…」
「この会社の状況じゃ仕方ないですよね。
いつから次の会社ですか?」
とあっさりと受け入れてもらえた。
その後、2、3質問を受けて話をしていたら来客があったのでその場は一旦終了。
夕方になって、M氏がさっそく部長にも報告してくれて、その日のうちに退職願は人事担当のところに回った。
リストラや自主退職ラッシュがあったので受け入れの素地は整っていたようで、今回の退職交渉は交渉事にならずに済んだ。
形式的にも引き留めがないのはそれはそれでさみしいが、結論は変わらないのであっさり受理されると楽なもんである。