2010年7月5日月曜日

いつか日本で働くのが難しくなる

政府が発表した2010年版ものづくり白書によれば、新興国拠点で商品開発し、海外向けにビジネスを展開している企業が増えているそうだ。その傾向は今後もますます強まっていくらしい。

海外で研究開発・設計業務を行っている企業を対象に経産省が今年1月に実施した調査で、新興国の事業拠点で製品開発まで行う企業の比率は、5年前の46.9%から、現在は54.9%になっていることがわかった。さらに5年後には67.6%になる予測だという。


国内市場が奮わない昨今、海外で稼ぐのがいまや当たり前になったが、国内企業でも海外だけで開発から販売まで完結してしまうと、エンジニアとしてもオチオチしていられないのである。

なぜなら、従来のように海外で生産していても海外で稼いだ分の利益のうち、少なくとも研究開発投資分は国内にお金が回ってきていた。その投資のほとんどはもちろんエンジニアに係る人件費である。
つまり、開発が海外に移ってしまうと、その研究開発投資すら海外に投下されてしまい、国内のエンジニアには一銭も落ちてこない、究極的には「口減らし」すら起きるのである。

国内に働き口がないとなると、海外で働かざるをえなくなり、海外で働くということは相当のスキルを持ってないと新興国の人間と競合しなければならなくなる。

これはツラい。賃金は当然安いほうに流れるから、いやがおうでも低賃金で働かざるをえないのだから。


これは自分も10年前から予測してたことだ。中国出張に行く度に発展していく町をみて、海外シフトを模索する会社の経営をみて、近い将来そういう時が来るだろうと感じていた。


ならばどうするか。

いつかは海外で働くことを前提に仕事上のスキルを身に付けていかなければならないだろう。
賃金の安い新興国の人間に競り勝つには、当然それ以上のスキルを持ってなければならないのだからエンジニアとしてのレベルは高くなくてはならないし、最低限英語でコミュニケーションがとれるようにならなければいけない。
英語がニガテと公言してもいられない情勢なのだ。

その為にはむしろ、敢えて手をあげて海外拠点に出向く覚悟が必要かもしれない。海外で働いた経験があれば、いつ「その時」が来ても選択肢を広げることができるからだ。


外国語に自信のある学生は最近から国外に出て就職するのもいいかもしれない。
このまま国内市場が縮小し続けるなら、やがてはそうでない学生も海外就職を選択肢に入れなければならなくなるだろう

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